Soccer Vision Coaching(サッカービジョンコーチング)は、サッカーをはじめとする様々なスポーツを通して、スポーツビジョンを向上させるためのトレーニングを行うスクールです。
スポーツビジョンとは、スポーツ選手が自分の能力や身体機能を最大限に発揮させ、最高のパフォーマンスを発揮するための目の使い方や視覚能力のことです。
スポーツ競技において、アスリートは周囲の情報をさまざまな感覚器官から入力し、競技の目的に合わせてパフォーマンスしています。その中で目は最も重要な情報入力器官であるとされています。
その理由は、五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)から得られる情報全体の中で、目から得られる視覚情報が87%もの割合を占めているからです。スポーツにおいても、周囲の情報の9割近くを目から入力していることになります。そのため、視機能の状態によって取り込む情報の量や質に差が生まれ、スポーツでのパフォーマンスにも大きな影響を与えます。
つまり、高いレベルでパフォーマンスを発揮するためには、視機能の状態を整え、高いスポーツビジョン能力を有している必要があるのです。
『ボールが止まって見える』
これは、かつて野球の神様と呼ばれた元読売巨人軍の川上 哲治 氏が残した有名な言葉です。しかし、
『ボールが常に、やたらと動いて見える』
こう言い残した選手もいます。野球の天才、イチロー選手です。
野球の神様と天才、この2人が残した全く逆の言葉は、スポーツビジョンは個人差が大きく、同じ物を見る場合でもそのアプローチが人それぞれ異なっている、という事を示唆しています。
これは単にどちらの視機能が優れているかという事ではなく、目から入力した視覚情報を脳で処理し、身体に出力する、その一連の過程が人によって異なっている、という事を意味しています。
どんなスポーツでも、トッププレーヤーはボールを扱う時には必ずボールをよ~く見ています。サッカー選手がボールをキックする時、トラップする時、ヘディングする時。野球選手やテニス選手がボールを打つ時、キャッチする時、必ずよ~~~~~くボールを見ています。
なぜ、よ~~~く見るのか?
それは、よく見ると良いプレーが出来るからです。ではなぜ、よく見ると良いプレーが出来るのか?
それは、入力系の情報量が増えるからです。
ボールの回転やスピード、距離感、遠近感、ボールのバウンド、位置、角度、進行方向、などなど、目から入った情報が感覚神経を伝って脳に入力される。入力された情報は脳で処理され、計算される。計算された情報が、運動神経を伝って身体に出力され、身体が動くことによってプレーをする。
つまり、入力される情報の量が多ければ多いほど、質が高ければ高いほど、計算のスピードと精度が高ければ高いほど、出力される情報の質が高くなります。出力される情報の質が高くなればなるほど、良いプレーを出来る可能性が高まります。出力された情報通りに身体が動くかどうかは、フィジカルや技術的な側面にゆだねられますが、まずは質の高い情報が出力されない限り、良いプレーは生まれ得ません。その『入力系』『脳の情報処理能力』『出力系』に個人差があるのです。
スポーツビジョンの研究は、1930年代のアメリカから始まりました。70年代には専門の研究機関が設立され、日本でも1988年にスポーツビジョン研究会が発足しました。そして、この研究会は2018年1月に一般社団法人 日本スポーツビジョン協会となり、スポーツビジョンの研究や普及活動を行っています。
これらの研究から分かった事は、スポーツビジョンには個人差があり、競技力が優秀な選手は優秀なスポーツビジョンを持っていること。また、競技種目によって必要なスポーツビジョンの能力に差がある、ということです。
また、優秀なスポーツビジョンは、優秀な競技力の必要条件であるが、十分条件ではない、ということも分かりました。
つまり、スポーツビジョンが優秀であればサッカーが上手い、とは限らないが、サッカーが上手い選手は必ず優秀なスポーツビジョンを持っている、ということです。これは、サッカーに限らず全てのスポーツに当てはまります。
十分条件ではない、けれども必要条件ではある、ということは、優秀なスポーツビジョンを身に付けておけば優秀なアスリートになれる可能性が高まるということであり、優秀なスポーツビジョンを獲得するためのトレーニングが重要な意味を持ってきます。
また、競技種目によって必要なスポーツビジョンが異なるのであれば、自分が行う競技に合わせたスポーツビジョンを獲得する必要性が出てきます。
そこで生まれたのが当スクール Soccer Vision Coaching(サッカービジョンコーチング)です。
そのスポーツビジョンをしっかり身に付けるために、しかるべき年代からトレーニングを行うという事が当スクールのコンセプトになります。
しかるべき年代とは、ゴールデンエイジと呼ばれる年代で、当スクールでは7~15歳が対象となります。
『即座の習得』が可能とされ、人生の中で最もテクニックが伸びる時期とされるゴールデンエイジと、その準備段階とされるプレゴールデンエイジ。
これらの年代から優秀なスポーツビジョンを身に付けるトレーニングをしていくことで、より有意義で質の高いゴールデンエイジを過ごすことが出来ると考えられます。
つまり、『即座の習得』の質が上がり、よりサッカーやスポーツが上達できる可能性が高まるということです。
当スクールにはサッカービジョンコースとスポーツビジョンコース、さらに4歳~6歳を対象としたコーディネーションコースの3つのコースがあり、それぞれ自分の競技種目や目標・課題に合わせたトレーニングを分析して提供していきます。
※このホームページでは、トレーニングのエビデンス(科学的根拠)を示すために医学的・科学的な説明が多く出てきます。しかし、もちろんトレーニング中にこんな専門的で難しい話を子ども達にするわけではありません。子ども達はただ遊んでいるだけ、スポーツをしているだけ、サッカーの練習をしているだけ、目のトレーニングをしているだけ、という感覚しかありません。ただ、そこにはこんな意図があって、こんな狙いがあるんだ、という事を各ページで紹介していきます。
サッカービジョンコース
サッカー選手を目指す子ども達が、サッカーに特化したスポーツビジョン、すなわち『サッカービジョン』を獲得するためのトレーニングを行います。
サッカーチームに所属している10~15歳が対象。(小学4年生~中学3年生)
将来を見据えて、より高いレベル、より高い目標を目指す選手を育成することが目的となります。
サッカーをしている小学3年生以下でサッカービジョンに興味のある方は、スポーツビジョンコースでその基礎を学ぶことをお勧めしています。
スポーツビジョンコース
サッカー以外にも野球・テニス・バスケ・バレー・バドミントン・卓球など、様々なスポーツを通してあらゆるスポーツに共通して応用できるスポーツビジョンを養うトレーニングを行っていきます。
7~12歳であれば誰でも参加可能。(小学1年生~6年生)
何かスポーツをやっていて競技力をもっと向上させたいという人はもちろん、運動は苦手だけど克服したい、子どもの発育や発達の遅れが気になる、目と身体を鍛えて勉強に役立つ集中力をアップさせたい等、スポーツをやっていない人にもオススメなコースです。
コーディネーションコース
遊びを通して様々な運動を経験することにより、身体を自由自在に操作できるようにすることを目的とした、ドイツ発祥のCoordination trainingを行っていきます。
対象は4~6歳(年少~年長)
様々な運動で神経系の発達を促すことで、五感のうちの視覚・聴覚・触覚から得られる情報を脳で判断して筋肉を動かすといった、入力系から出力系に至る一連の過程をスムーズに行うことが出来るようにしていきます。