では、『サッカービジョン』とは、いったいどんな物なのか? 1つ具体的な例を挙げて説明していきます。
『首を振る』
サッカーではよく聞く言葉です。首を振ることで視野を確保し、敵や味方の位置・ゴールの位置・自分のポジショニング、などなどを見て確認する。つまり、要は周りを見るために首を振るのです。ということは、周りが見えるのであれば、必ずしも首を振る必要はないということになります。
首を振る動作が多く大きいほど、時間がかかり、姿勢やボディバランスも崩しやすくなります。もし、そこで目を同時に動かせば、首の動作は小さく済み、かかる時間も短くできます。
例えば、90°横を見たい時に、
首だけを使って見ようとすると、首を振る角度は90°となります。
しかし、
同時に目を40°動かせば、首を振る角度は50°で済むのです。すると、コンマ数秒かもしれませんが見るのが速くなり、判断が速くなります。その分、プレーが速くなり、相手よりも半歩先に動き、体半分前に出て、足先数センチ分 先に、ボールに触れるようになるのです。その、半歩分、体半分、足先数センチ分の差が、ゴール前や球際での強さにつながってくるのです。一流プレーヤーはこういったスポーツビジョンが優れているのです。
半歩分、相手より先に足が出るか? 体半分、相手より前に出れるか? 足先数センチ分、相手より先に触れるか? そういうギリギリのレベルでプレーをする選手にとっては、コンマ数秒の差がものすごく大切になります。日本と世界との差であるそのコンマ数秒、その差を生み出す要因の1つは、目にあるのかもしれません。
その目の能力を養うため、サッカービジョンコースでは主に次の9つの項目のようなトレーニングを行っていきます。①~⑥は代表的なスポーツビジョンの能力。これらの能力がそれぞれサッカーの中でどんなプレーやシーンで必要となり、活用されるか?という観点でアプローチしていきます。⑦~⑨では逆に、そのプレーやシーンに必要なサッカービジョンを、どう応用して活用すればより良いプレーが出来るか?という観点でアプローチしていきます。
(アイコンをクリックすると、各項目の詳しい説明が見れます。)