コーディネーションコースでは、ドイツ発祥のCoordination training(コーディネーション トレーニング)を4~6歳(年少~年長)の園児を対象に行っていきます。
Coordination trainingは、1950年代から研究が始まり、ドイツの神経生理学者やスポーツ運動学者によって体系化され、スポーツの現場に取り入れられてきました。その後、様々な競技団体によってトレーニングプログラムが開発され、ヨーロッパ全土に普及しています。20年ほど前からは日本にも導入され、多くの分野で活用されています。
Coordination Trainingの目的は、五感のうちの視覚・聴覚・触覚から得られる情報を脳で判断し、具体的に筋肉を動かすといった、入力系から出力系に至る一連の過程をスムーズに行うことが出来るようにすることです。そのために、リズム能力・バランス能力・連結能力・反応能力・変換能力・定位能力・識別(分化)能力、といった基本となる7つの能力を刺激し、神経系の発達を促していきます。
全ての運動やスポーツがこの7つの基本能力の組み合わせによって成り立っており、その基本能力の上に各スポーツの専門的な技術が上積みされていくのです。まだ脳の可塑性が残っている時期にこの基本能力を養っておくことで、その後のスポーツの習熟度に必ず差が出てくるはずです。
『遊びを通して様々な運動を経験することにより、自身の体を自由自在に操作できるようにする』
それがCoordination trainingの基本理念です。なので、コーディネーションコースではトレーニングは行いません。トレーニングは全て『遊び』に置き換えていきます。きっと、傍から見るとただ遊んでいるだけのようにしか見えないかもしれません。しかし、その遊びには意図があり、狙いがあります。遊びが意図を持った時、それがトレーニングとなるのです。
特に身体の発育途中にあり、神経系の発達が活発な年代の子どもにとっては、神経系を刺激するCoordination Trainingは重要な役割を果たします。欧米のトップアスリートのほとんどは、子どもの頃に様々な遊びやスポーツを通してCoordination Trainingを体験していると言われています。
子どもは、自分の体を自由自在に動かせるようになると、体を動かすことの楽しさと喜びを感じるようになります。体を動かすことの楽しさを知れば、子どもは自発的に興味を持ってどんどん動くようになります。どんどん動くとそれが刺激となり、また神経系が発達していくので、より動きが活性化される。『体を動かすことは楽しい』という入口にさえ導いてあげることが出来れば、あとは自動的にこのようなポジティブな連鎖が期待できます。
外で体を動かして遊ぶ機会が減ってきている現代。子どもがスマホゲームやユーチューブばかり見ていて、全然 体を動かそうとしない、と悩んでいるママやパパも多いのではないでしょうか?
でも、もしかしたらその子は、まだ体を動かす楽しさを知らないだけなのかもしれません。