瞬間視とは、顔を上げたその一瞬で見たものから、いかに多くの情報を入力し、その情報を有効利用できるか、という能力です。一瞬で見た物を映像として記憶するようなイメージです。

野球で言えば、守備の時にボールをキャッチした瞬間に、どこにどんなボールを投げればアウトにできるのか、それを瞬時に最善の判断をするために有用な能力です。
また、バッティングにおいても、瞬間視の能力が高いとピッチャーが投げたボールがスローに感じたり、一瞬止まって見えるような感覚で打つことが出来る場合があるなど、そのメリットは絶大です。

バスケットボールで言えば、ボールを持って顔を上げたその一瞬で、ゴールの位置、相手の位置、味方の位置、スペースの有無、相手や味方の体の向き・目線・ボディバランス・進行方向、などを入力し、その情報を処理して、誰にどんなパスを出すのか?どこにどんなドリブルをするのか?どこからどんなシュートを打つのか?など、自分がするべき最善のプレーを判断するために有用な能力です。

バレーボールで言えば、主にトスを上げるセッターのポジションで必要な能力です。一瞬で敵や味方の位置や状況を入力し、誰がどこからアタックを打つのが最善かを判断してトスを上げます。
また、アタックを打つ時に相手のブロックを見てコースを決める際にも有用な能力です。

テニスや卓球、バドミントンでは、相手の位置や体勢、体の向きや目線などを入力し、どこにどんなボールを打てば良いのかを判断するのに有用な能力です。
相手のスキを見逃さずに攻めたり、相手の逆をついたり、ドロップショットやロブなど、多彩なショットにつながります。

どんなスポーツでも、入力される情報量が多いほどプレーの選択肢が多くなり、選択肢が多いほどプレーの幅も広がり、それが良い状況判断につながっていくのです。そのためには、瞬間視という能力がとても重要なファクターになっていきます。そして、瞬間視の能力が高まると、相手やボールの動きがスローに見えたり、一瞬止まって見えるなど、『特殊な見え方・特別な能力』を獲得できる可能性が期待できます。

また、スポーツの場面に限らず、瞬間視の能力が高まると本を読むのが速くなったり、黒板をノートに書き写すのが速くなったりと、学習面にも効果が期待できます。

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