パスにも種類がたくさんあり、細分化するとキリがありませんが、ここでは次の3つに大別して分析していきます。

①ポゼッションするための、『つなぎのパス』
②相手の背後や、縦へのスペースを狙う『仕掛けのパス』
③大きなサイドチェンジや、最終ラインから前線を狙う『ロングパス』

まず①の『つなぎのパス』、これはバルセロナのサッカーに代表されるような、簡単にはボールを失わず、しっかりつないでポゼッションするために必要なパスです。

また、リバプールのように縦へのスピードを重視した、ショートカウンター主体のサッカーでは②の『仕掛けのパス』、しっかり引いて守るカウンター主体のサッカーでは③の『ロングパス』が重要になってきます。

現代サッカーは、この3つのパスのどこに重点を置き、バランスを取るか?という点でチームの特色が変わってきます。

いずれにせよ、現代のスピーディでインテンシティの高いサッカーでは、1タッチや2タッチで正確にパスを出す『技術』や、ロングボールを正確に蹴る『技術』が求められます。しかし、ただ『止める・蹴る』技術が高いだけでは、試合の中でパスは出せません。そこには『判断』という重要なファクターが絡んできます。

『ボールフィーリング』と『テクニック』は別物である。

サッカーではよく言われる事ですが、単にボールを扱う技術のことをボールフィーリング、相手がいるプレッシャーの中で発揮される技術のことをテクニックと呼びます。

試合の中でテクニックを発揮してパスを出すためには、相手や味方の状況に応じた『判断』が必要になります。 味方がどこにいてどんな状況なのか? 相手がどこにいてどんな状況なのか?
1タッチで出した方が良いのか? トラップして2タッチで出すのか? ためて時間を作るのか? ドリブルするのか? 足元に出すのか? スペースに出すのか?
どこにどんなパスを出すのか判断をしなければ、パスは出せません。

では どうやって判断すれば良いのか?

『判断する』ということは、『見えている』ということが前提になっています。
そもそも、誰がどこにいてどんな状況なのか? それが見えていなければ、判断のしようがありません。 

しかし、たとえ見えていても、そこに正確に蹴る技術が無ければ見えていないのと同じことです。

つまり、『見えている』『技術』、どちらが欠けてもテクニックは成立しないのです。
『見えていて、技術がある』この2本柱が重要であり、必須の要素となります。

所属チームのコーチにも、「もっと周りをよく見て!」などと言われることはありませんか?

では、周りの何を見れば良いのでしょう? 周りには見るべきものがたくさんあります。

相手なのか? 味方なのか? ボールなのか? スペースなのか? ゴールなのか? 
また、相手や味方の何を見れば良いのか? 位置 体勢動き体の向きボディバランス

①~③のパスを出すには、それぞれ何を見れば良いのか? それを見るためには、どんなサッカービジョンが必要なのか? サッカービジョンコースではそこを追求していきます。

『技術』(=ボールフィーリング)の柱は、所属チームでの練習や個人練習でしっかりと磨いていってください。
サッカービジョンコースでは、『見る』の柱にスポットを当てたトレーニングを展開していきます。

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