動体視力と聞くと、『動いている物を見る力』のことだと思う人が多いと思います。間違いではありませんが、もう少し深く専門的な解釈をしてみると、『動体視調整 ~Dynamic Visual Focus~』という言葉になります。動いている物に対して、どれだけ速く目を動かして照準を調節できるか、という考え方です。これを簡単に言い換えると、動体視力とは、動く物体を『見る』力ではなく、動く物体の動きに合わせて『目を動かす』力のことである、ということになります。

動いている物に対して、同じ方向に、同じスピードで、ぴったり合わせて目を動かすことができれば、その物体は止まって見えます。つまり、よく見えます。

こんな経験はないでしょうか?
踏切で待っている時、走り過ぎる電車をただぼ~っと見ているだけでは、車内の様子を見ることは出来ません。しかし、電車の動きに合わせて目を動かして窓を見ると、車内の人の表情や、貼ってあるポスターの文字を読み取ることさえ出来た、なんて経験は?

スポーツにおいても、動くボールに合わせてしっかりと目を動かせれば、その分よく見え、ボールのスピード・強弱・回転・コース・バウンドなど、入力される情報はより多く、より正確になります。

正確な情報が多く入力されれば、その分出力される情報も正確になり、ボールを打ったり捕ったりするプレーの精度は高まるはずです。

ボールを打つ・捕るスポーツには必須の能力、それが動体視力です。

Back   Next